前編では4月の北海道遠征からおたる水族館をピックアップ。
そのなかでも海獣展示に絞って写真を紹介してきました。

この後編では、海獣展示に匹敵するほど魅力的だった魚類展示、特に冷水系の魚類展示の写真をまとめていきます。
理由は長くなるのが省きますが、どこの水族館を訪れても自分が一番注目するのがその地域の魚類の展示。
おたる水族館ではネズミイルカが展示されるほのぼのプールの奥から、地域魚類の展示が始まります。

淡水魚の展示は少なめのおたる水族館ですが、海水魚の展示の前に数基の淡水魚水槽があります。
ここのコーナーでみられるのはまずオショロコマ。

北海道でしか見ることのできない美しいイワナの仲間。
展示されていたのは小柄な個体ばかりでしたが、オショロコマらしい美しい色味を見せていました。

ここでは、持っていたレンズの中で最も最大撮影倍率が高い(0.25倍)135mmで撮影。
このレンズはAFが速いうえ、フォーカスリミッターで2m以近に合焦範囲を絞ることができるので、魚類撮影にもまぁまぁ使えます。

隣の水槽にはエゾホトケドジョウ。
オスは体側に明瞭な線が現れるのでこの個体はたぶんメス。北方の魚ですが、比較的高水温にも強いと聞くのでいつか飼育してみたい種類。
ホトケドジョウ類は飼育下繁殖が容易とされますがまだ成功したことがないんですよね。
この先続く汽車窓水槽群がおたる水族館のメインディッシュ。

最初の2基は引き続き淡水の水槽。

北海道を代表する魚、イトウ。
千歳水族館はもちろんサンピアザ水族館でも展示されていましたが、一番見やすかったのはここ。個体も大きいうえ水槽の造形も秀逸です。

続く水槽は鱗の輝きが美しいワカサギの群泳が。
水槽のすぐ横や下部に設置されている多数の解説板も非常に良い。効果的な配置がしっかり取られています。
ここからは冷水系の海水魚コーナー。ここの充実度が何より素晴らしい。
比較的地味な種が多く、水族館よりも食卓で目にすることが多いような魚介類がしっかりとスペースをとって展示されています。

この写真右側のニシンの水槽、肝心なニシンを撮り忘れたのですが上中層を埋め尽くすニシンのほかにも魅力的な魚が多数。

北海道に来るたび食べているトクビレ。体の断面にちなんだ八角という名で流通することが多く、かなり独特な食感をしています。
顔が好きだから食べているだけで、個人的にはあまり口には合わないのですが…笑(北海道ならもっと美味しい魚がたくさんいる)

どちらかというと南方系の印象が強いホウボウ類(これはカナガシラ)ですが、北海道にも生息しているらしい。

代表的な冷水系エイ、メガネカスべ。
遊泳魚メインの水槽は下層が空きがちですが、おたる水族館はそのあたりも考慮した魚種構成となっている印象。
このコーナーは、Batis 2/25と105mm F1.4 DG HSM | Artで撮影。
AFが遅いと言われがちな105mm F1.4ですが、こうした被写体には特に問題なくピントが合います。
もちろんGMと比べると、魚が向かってくるシーンでピントが追いつかないことは増えますが、GMでも全コマ合焦とはいかないので。
アクアパークでは餌としてしか見る機会のないホッケ。
おたる水族館では秋ごろに水槽内産卵が見られるとか。


この水槽も造形が非常に良い。照度の低さは撮影にこそ厄介ですが、水槽の雰囲気づくりには間違いなく寄与しています。

4月はホッケの繁殖期ではありませんがせっせと砂を運ぶ様子が見られました。
α9の凄さはAFが遅いレンズでもその性能を引き上げてくれること。
被写体のと距離が近くて、動きがあり、光量も少ないという今回のシーンでしっかりとピントの合った写真が撮れたのは間違いなくα9のおかげ。
α7ⅢやLUMIX S1ではこうはいきません。


脂質が非常に多いことが名前の由来となっているアブラボウズ。
この種も北方系の深海魚です。
この汽車窓水槽群の中でも特に大型なのがチョウザメ水槽。

ダウリア、シベリア、シロと3種のチョウザメが展示されています。

北米最大の淡水魚として知られるシロチョウザメ。大きな個体では6mを超えるとも。

こちらはダウリアチョウザメ。ロシアや中国を中心に生息する大型種。

口の横まで裂けた大きな口は魚食性が強いゆえの特徴で、ほかの2種にはないわかりやすい特徴です。

この水槽は陽光が差しているかのようなライティングがされているのと、チョウザメたちが絶えず泳いでいるので非常に撮りやすい。
驚くべきは冷水系魚類のドーナツ型の大水槽まで備えていること。

水量は325tと、冷水系海水魚の水槽ではアクアマリンふくしまの大水槽(500t)に次ぐ国内屈指の大きさ。
大型のアクリルガラスが一般化する前は花形展示であったドーナツ型水槽も、油壺マリンパークや志摩マリンランドが閉館し、いまでは両手に収まるほどの数に。
王道のものはおたるとノシャップくらいで、葛西もリニューアルを控え、ここおたるもリニューアル計画が上がるなど希少価値は増すばかり。

国内の水族館史を語るうえで絶対に欠かせない形態の水槽なので、水族館好きの方は見ておかれることをおすすめします。
水槽自体も魅力的ですが、泳ぐ魚種もなかなかに良い。

先の汽車窓水槽に展示されていたのは淡水のイトウでしたが、こちらは海水に馴致されたイトウ。
イトウの近縁種はより大型のタイメンなど数種が知られますが、このイトウのみが降海する習性を持つとされています。

おそらくアメマス。サケ・マス類は降海型と陸封型で呼称が異なることが多く、このアメマスも陸封型はエゾイワナと呼ばれることが一般的です。


オオカミウオが泳ぐ姿もなかなか珍しい。
この他にも、オヒョウやオオクチイシナギなど刺さる人にはぶっ刺さるような魚が泳いでおり、古いながらも満足感は抜群の水槽でした。
本館2階は小水槽が並ぶコーナー。

念願、本場のフサギンポ。
冷水系の海水魚ではアイドルのような存在ですが、今回の遠征で訪れた4館の中で展示していたのはここだけ。
最後におまけ程度ですが、冷水系以外の魚類展示も触れておきます。
館内入ってすぐにあるパノラマ回遊水槽。

水量420tと同館最大の水槽で、横幅が非常に広いため水量以上に大きく感じます。
撮影上の問題は映り込みの多さとコントラストの低さ。

展示の中心はホシエイやトラフザメ、クロヘリメジロザメといった大型板鰓類。
1階は冷水系以外にも汽車窓が並ぶ構造で、すべて合わせると500t近くになるとか。
そりゃ見応えがあるわけだ…


このほかにもコツメカワウソの水槽や2階の小型水槽群もあるわけですが、おたる水族館の注目はやはり冷水系の海水魚。
北海道の水族館を全制覇したわけではありませんが、この分野では国内で最も充実した水族館と言って過言ではないはず。
撮影においても、見やすく造形に凝った水槽が多いうえ魚類の状態も総じて良いため非常に撮り甲斐があります。
過去訪れた中でも屈指のお気に入り水族館になりました。
魅力あふれる展示満載のおたる水族館ですが、随所に古さが見え隠れすることも事実。
まだ構想段階ではありますが、3棟増設&イルカスタジアムも建て替えるという大規模な改修計画が検討されています。
どんな展示が生まれるのか楽しみが尽きませんが、今でも十分すぎるくらい魅力的な展示を見るためぜひ足を運んでみてください。




















































































































































































































































































































































































































































































